DaVinci ResolveのLuaスクリプト入門
DaVinci Resolve は動画編集ソフトです. 無料版でも十分な機能があり、とくに Fusion でいろいろなエフェクトや調整ができるので使っています. ここでは、標準で使用できるLuaスクリプトを使ってツールを作ってみます.また、Luaについても少し解説します.
はじめに
DaVinci Resolveのスクリプトは標準で Lua が組み込まれています.Luaはとても簡潔で、実は慣れると、とても書きやすいことがわかります. ただし、Luaそのものは最低限の機能しか実装されておらず、使える機能はアプリ側が用意したライブラリに依存します.
ちなみに、DaVinci Resolveは Lua だけではなく、Pythonもサポートしています.しかし、標準では利用できず、あとからインス トールする必要があります.
公式からインストーラをダウンロードしてインストールしてもいいですし、仮想環境を作成しても問題ありません.ただし、仮想環境の場合、環境変数を設定する必要があります.ResolveDevDoc や、README.txt (たとえば、C:\ProgramData\Blackmagic Design\DaVinci Resolve\Support\Developer\Scripting\README.txt
)を参照してください.もちろん、ここでは Python について詳しく触れません.
なお、環境は Windows で、UIは英語表記、バージョンは 19.0 です.DaVinci Resolveを個人で少し使っている程度です.
今回作るツールは2つ.1つはタイムラインを開くツールです.シーンが多くなるとフォルダ構造も階層が深くなったり、なぜかシーンファイルを開くためにダブルクリックしようとするとクリックした直後にしばらく操作できずにいて、その後はシーンの名前変更になってしまったりと若干ストレスを感じていました.私はEdit画面を主に使っているので、Edit画面からタイムラインを切り替えたいです. もう1つはFusionのツールで、特定のノードのインスペクタに表示されるボタンを押すスクリプトです.これは、Trailsノードを使っているときに、RestartやPrerollボタンを押すことがよくあるのですが、複数のTrailsノードがあったりするととても面倒でした.
今回はこの2つを作成します.ここでは、最低限のプログラミングについて知っていることを前提とします(たとえば、変数や関数).